満月を見上げて


三江線最終日、これが私のラストカット。

少し前までの賑わいが嘘のように静かになった駅には、
満開の桜、そして空には満月が浮かぶ。

この駅で空を眺めるのが好きだった私だが、
見上げた場所に駅がある風景は、
規格の高い公団建設路線の特徴でもあり、
かつての可部線末端区間、かつての能登線、
そして、さらに昔では大隅線でも同じような造りの駅を見ることができた。

そのどれもが国鉄の末期に、いわば執念で建設された鉄道路線ばかりだが、
そのどれもが既に鉄道路線上から消えてしまっているのは、何とも皮肉なことである。

満月を見上げて_d0309612_22060062.jpg


三江線 石見都賀




by tongpooryk | 2018-04-19 00:01 | 三江線 | Trackback | Comments(4)

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Commented by 風旅記 at 2018-04-22 17:41 x
こんにちは。
三江線、予定に違わずに廃止になってしまいました。拝見しまして、確かに公団が建設した新しい路線の多くが廃止されている現実、寂しくも感じます。
昭和40年代にかけてでしょうか、公団が建設した路線は、ご記載のように高規格で、列車に乗っていても沿線で見ていても、すぐに分かります。地形をものともしないような、線路を真っ直ぐに平らにすることを重視した造り、ローカル線であってもぐんとスピードが上がり、感覚の違いが伝わってくるのでした。
昭和初期までの技術と財力ではできなかった線路、皮肉にも人口の少ないエリアであることも多く、なかなか維持するには至らなかったものと思います。
お写真の素敵な駅がまた一つ消えてしまったこと、残念です。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
Commented by tongpooryk at 2018-04-25 00:12
>風旅記さん
こんばんは。ご返事遅くなりました。
そうですね。国鉄末期に開業を急いだ路線が、鉄道建設公団によって作られた訳ですが、
そのすべてが、近代的工法とは対照的な超ローカル区間。
そういう意味では、鉄道として営業するにはそもそも無理があったのでしょうね。
どちらかというと、地元(国会議員も含めて)を納得させるために、鉄道を作ることそのものが目的だったのかもしれません。
いずれにせよ、私的に、三江線はよく続いたと思います。
採算が取れないながらも、民営化後、30年は残された訳ですから...。
Commented by 風太郎 at 2018-04-28 01:18 x
遅レスご容赦。
石見都賀がラストカットでしたか。
私も経験がありますが、失われた鉄道での最後の一枚はその瞬間の空気も含めていつまでも忘れないもの。
この満月の夜は山岡山さんの中でいつまでも生き続ける事でしょう。

石見都賀、夜神楽で夜更かしし、三次の宿への道を焦っていた事もあって、
背後の山のシルエットに浮かんでいたはずの駅舎を撮り忘れていたんです。
撮り直しも叶わず痛恨時であります。夜神楽の響きが闇に溶けていくような写真を撮りたかった。
Commented by tongpooryk at 2018-04-29 18:58
> 風太郎さん
こんばんは。
こちらこそ、ご返事が遅くなりました。

この時は最終列車の騒ぎから解放され、誰もいなくなった駅に立ち寄りつつ2駅目でした。
地元の方々が、最終列車を、この駅のすぐ近くの方のところに集まって見送られていた(宴会をされていた)ようで、ちょうどこれを撮影している時に、皆さん帰路へと帰って行かれるところでした。
廃止まで数時間の間は駅はまだ営業中で灯りがついているものの、もう列車が来ることはない駅は、なんだか取り残されているようで...。

満月のもと、静かになった駅をしばし眺めながら過ごしました。
実は風太郎さんがここで過ごされた前年、やはりこの駅で満月を見上げながら過ごしたのですが、その夜のことを少し思い出しながら...。